▢今回もライブのMCを担当、淡々とした話し振りなので、お客様に喜んでいただけただろうか?
曲の歌詞内容やエピソードも併せて紹介した。 Photo by hiroko
ジャズ・ナンバーの『It Could Happen To You』(インスト)で始まった1部ライブを聞いて、来場の皆さんは、
このバンドのバックの実力をつぶさに感じたに違いない。それぞれのソロ演奏を挟んで軽快ににライブはスタ
ートした。偶然の選曲だったが、映画『黒いオルフェ』のテーマ曲(挿入歌)が3曲入っていた。乗りのいいサンバ
曲:『オルフェのサンバ』(ルイス・ボンファ曲)、軽やかなボサノヴァ:『フェリシダージ』(トム・ジョビン曲)
そして名曲のバラード『カーニヴァルの朝』(ルイス・ボンファ曲)。『オルフェのサンバ』については、後で
QP村山が「キリさんのドラムが、ポッサもサンバも、以前より上手くなっていましたね。」とメールをくれた。
『フェリシダージ』は、ウッチーのEl.Pfの音が軽やかで、スピード感のあるこの曲をうまく表現してくれた。やはり、
この日のライブでも一番出来が良かった(と私は感じた)『カーニヴァルの朝』は、私のゆったりとした歌に始まり、
2コーラスはウッチーのやや哀愁を帯びたピアニカ・ソロ、3コーラスはKAZAのキレのいいベース・ソロ、そして
4コーラスが再び私の歌でアドリブ、全体をキリさんのドラムが静かで小気味よいリズムを刻んでくれたので、
とても上質な音作りができたと感じた。歌いながら、こんな素敵なメンバー達とライブが出来る幸せを私は噛み
しめていた。
2部の最初にやったオリジナル曲:『君に酔ってしまいそうな夜』(君酔い)は、この日聞きに来てくれたQP村山
作詞で曲を私が作ったのだが、ライブでは初めてGt弾き語りで披露した。シンコペーション(後乗り)とアンティシ
ペーション(前乗り)が交差するサンバのリズムは、バンドで合わせるのがなかなか難しいのだが、メンバーに
わがままを許してもらいソロで表現した。うまくリズムに乗れたと感じたが、いつもコーラスでこの曲に参加して
くれる原ちゃんが、「タカさんのソロは、自由で洒脱で、何時もと違う曲のようだった。」と後で感想を寄せてくれた。
続いて歌ったオリジナル曲:『あなたの側で』(あな側)、もう何度も歌っているのだがこの日の出来はとても良かった
と感じた。私の声もよく出ていたが、キリさんのDr(ブラシ)がとてもいい雰囲気だったし、ウッチーのEl.Pfの音が
とても柔らかかったし、KAZAのBaはゆったりと長音で刻んでくれたし、歌いながら私はちょっと目頭が熱くなって
しまった。こんな経験もライブでは初めてだった。
私のライブでの新曲披露の中で、今回初めて取り組んだ『ヂザフィナード』(音痴)は、ボサノヴァのなかでも上級
曲と言われる曲なのだが、ややゆったり目のリズムに乗って気持ち良く歌えた。最初の曲をうまくスタートできると、
その日のライブにいい流れが出来る気がする。日本語詞も解りやすく作れたので、お聞きいただいた皆さんにも
曲の世界が身近に感じられたと思う。『11時の汽車』もライブ初披露だった。ガウ・コスタが歌った原曲は、超スロー
なサンバなのだが、この日はゆったりとしたボサノヴァで歌ってみた。11時の最終汽車に乗るのために、引き留める
彼女に「行かなくちゃ~!」という彼のセリフを後半少し変えて日本語詞を作った。なかなか面白い曲なので、今後の
ライブでも、ウッチーの好きな『アントニコ』とともに歌っていきたいと思っている。私の作るボサノヴァ日本語詞に
ついては、聞いただけでは解りにくいボサノヴァのポルトガル語の内容がよく解るということで、好評をいただいて
いるが、日本語の歌詞として上手く出来ていることも大切なので、今後も詞としての完成度も追求しながら、挑戦して
いきたいと思う。私自身も、自分で作った『コルコヴァード』や『アントニコ』が歌いやすくて好きである。
▢ライブ終了後、場所を「椿」に移しての打ち上げ会、茂子ママの心づくしの手料理で乾杯し、メンバー3人であれこれ話す
ことができた。ハジメちゃんとタッキー、加わった3人のお客さんと歌会が始まり、また盛り上がってしまった。やれやれ...
Photo by Master
今回のライブでの反省点は、やや曲目が多かったことだ。来場のお客様に対しては、できるだけ沢山の曲を用意
して楽しんでいただくのが大事なのだが、1曲ごとの多様な表現追及も大切だと感じた。特に後半に向かって、お客が
盛り上がれるパーフォマンスを考えると、PfやDr、Baのソロをもっと取り入れて、歌と組み合わせたほうが良かった
と思う。最後の曲『アヒル』を3コーラスで終えた時、私自身もそのことを感じていた。曲数は少し絞って、各曲毎の
表現方法をもっと工夫していくのが課題だ。この点についてはウッチーも言っていたし、この日色々と手伝って
もらったhirokoさんからも感想が出た。QP村山も、後半もう少し盛り上げてほしい感じがした、とメールしてくれた。
もう一つは、曲のメリハリをしっかりつけるには、イントロとエンディングをはっきりきれいに表現すること。今回は、
最終的に本番で合わせる、という方法をとったのだが、やはりメンバーが揃ってのリハは最低限必要だ。参加して
くれたKAZAからも、「終わり良ければすべて良し、というのも大げさだが、エンディングが決まると拍手が多いのは
事実です。」とのコメントを寄せてくれた。
しかしながら、タカバンドでやった今までの5回のライブの中では、今回が一番質的レベルが良く、また、曲内容も
よかったと思う。1部の最後に『スターダスト』を歌いながら、以前だったらこんな素敵な、また歌も演奏も技量を
要求される曲は出来なかったのに、このメンバーで出来たことはとても嬉しいことだと感じていた。歌もギターも、
今回のライブはとても気持ちが良かった。
色々な課題はあるけれども、私たちの歌と演奏を聴いて下さるお客様がいる限り、これからも精進してライブを続けて
行こう! と気持ちを新たにした今回のライブだった。来場の皆様、そしてこれからも私たちの歌と演奏を応援して
下さる皆様、またライブでお会いしましよう!
<お知らせ>
今回のライブ動画を編集中です。編集が済み次第、近々YouTubeにて公開しますので、どうぞお楽しみに。